介護について
介護は、ご利用者の生活・人生を大きく左右する重要な仕事です。
良質な介護は本人の生活を豊かにし、充実させることができます。
ご利用者が亡くなった後に「○○で最期を過ごせてよかった」「○○の職員にケアしてもらってよかった」と言われたとします。
それは、皆さんが、介護の専門職として、その知識と技術を磨き上げ続けているからです。
ご利用者の生活の質(QOL)を高めることにゴールはありません。
介護に携わる全員が、常に今よりも能力を高める余地を持っています。
サービスを受ける側の視点
例えば皆さんご自身や皆さんの家族が病気になった時に
【A】勉強もせず昔の知識・技術(時には間違いもあります)しか持たない 優しい医者
【B】知識・技術が高い 優しい医者
どちらに診てもらいたいでしょうか。
自分の子供を
【A】勉強もせず古い教育しかできない「心優しい教師」
【B】やる気にあふれ、高い能力を持つ「心優しい教師」
どちらに任せたいと思うでしょうか。
サービスを受けた後の生活の視点
サービスを受けたその後の生活で、治療しに行った際に
【A】技術が古く、下手なため、治療中は痛みが多く、大切な歯も削られ、抜かれてしまった…だから、美味しい料理も食べられなくなってしまった。
【B】最新の技術で歯を削ることもなく温存し、痛みもな…だから今でも、好きなものがなんでも食べられる。
どちらの生活・人生を選ぶでしょうか。
介護も一緒
「サービスを受ける側の視点」「サービスを受けた後のその後の生活」…介護も全く一緒だと思います。
尊厳を守り、思いを共有する優しい心だけでは、相手は満足してくれません。
優しい心だけでは、相手の生活・人生を豊かにすることはできません。
医療・介護のサービスを提供する人は、自分の能力が低いと、相手の生活・人生が貧しくなる可能性がある。
だから、介護に携わる私たちは、専門職として常に能力を高める必要があります。
介護従事者は専門職
介護技術自体は、少し勉強をすればできるかもしれません。
でもそれは、質の低い介護だと思います。
知識と技術を持っている人ほど、
「知らない事が沢山ある」
「身に付けなければいけない技術が沢山ある」
ということを知っています。
介護は、サービスの対象となっている方の「生活を支える」、その方の周辺で支えている人をサポートする専門職です。
知らなければいけない知識・技術は対象者がいるだけ無限にあります。
介護の支援次第で、対象者の生活・人生は大きく変化します。
対象者の生活・人生を一変させるくらいの大きな力を「介護」は持っています。
「美味しい料理」「美味しくなさそうな料理」は素人にも見た目にも分かりますが、「良い介護」「悪い介護」は実際に受けてみないと素人には分かりにくいものです。
だからこそ、私たちは襟を正して本物の介護を届ける強い意志を持つ必要があります。
「貴方で良かった」「貴方に関わってもらってよかった」と真の意味で言ってもらえるように日々精進を重ねましょう。
介護の力は大きく、素晴らしい仕事です。
介護に従事する専門職として、矜持(誇り・プライド)を持って仕事にかかわりましょう。
そして、自分自身の能力を常に高めていく気持ちも忘れないようにしましょう。
今年も介護の専門職である貴方にとって、実り多き充実した年であることを祈念しています。
妹尾 弘幸(日本通所ケア研究会 会長)
【学ぶ】
■介護報酬・介護制度改定への対策とこれからの介護セミナー
■地域包括ケア・包摂支援時代の通所系サービス生き残り戦略特別リレー講演
https://tsuusho.com/daysurvival
■実践!認知症ケア研修会2021
■事業所運営の課題解決に直結する! すぐに始める「強い組織」をつくるための立て直しセミナー
https://tsuusho.com/management2021
■新年度直前対応!デイ運営と事業展開3日間セミナー
https://tsuusho.com/management3days
■報酬改定対応!デイ加算算定のための評価・書類・記録・プログラムセミナー
■介護職・看護師・リハ職のための認知症ケア集中セミナー
https://tsuusho.com/concentrate